篠竹取り

10年ぶりと言われる大雪に見舞われた関東。
佐倉も一面の銀世界になりました。

ちょっと町を離れると、あちこちで道路が塞がれていました。

1301yuki1.jpg


雪の重みで孟宗竹や真竹が倒れてるんですね。


幸いな事にそんな大雪に見舞われることなく、数日前に篠竹を切り出してきました。
早いものですね。前回から1年がもう経ってしまったんですね。

篠竹は孟宗竹に較べてずっと細い竹です。

しかも佐倉の辺りでは数が年々減ってきています。
そんな篠竹を求めて沼の方へ行ってみました。


今年はあまりめぼしいものが少なくて、竹林を掻き分け掻き分け彷徨いましたが、
何とか30節ほど取れました。

1301sino1.jpg


来年か再来年が楽しみな若竹が多数有ったので来年に期待が高まります。
宅地造成されずに竹林が残ってくれると嬉しいのですが。


年を経た竹は、サヤの中にこんな茶色い虫がいることが少なくありません。

1301sino2.jpg

何かのサナギでしょうか?
カイガラムシのように白い縁取りがありますが、拡大するとゴキブリの卵をつぶしたのような形です。

表面に付いているこのような虫や汚れを落として数年かそれ以上、虫が付かないようにして静かに寝かせます。


ここのところ、領土問題や経済問題、エネルギー問題などといくつもの問題に見舞われている日本ですが、この竹たちが眠りから解き放たれて篠笛に変身する頃、果たしてどんな世の中になっているのでしょうか?



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篠笛持ってふらり旅(第5話)


忙しさにかまけてここ数年お休みしていたのですが、昨日は思い立って篠竹を切り出しに行ってきました。
今日はそんな竹取物語を・・・(^^)
・・・・・

私の作る篠笛は、3年以上自然乾燥させた篠竹を使います。
手持ちのその篠竹が少なくなってきたので、久しぶりに竹取に行ってきました。

昔は重宝にいろいろに利用されていた篠竹ですが、現代生活の中ではその活躍する機会がめっきりと減ってしまいました。
商用性の低い篠竹林は、食材として人気の筍(たけのこ)が採れる孟宗竹林へと転換されていきました。

そして追い打ちを掛けるように、ここ佐倉周辺では宅地造成が盛んに行なわれて篠竹林はめっきりと少なくなってしまったので、篠笛の材料集めは以前ほど簡単ではなくなってしまいました。

今日も心当たりを頼りに数カ所巡って、ようやく篠竹が群生している山を見つけることができました。
かなり荒れている藪でした。

でも目に付くのは笹藪ばかり。
とても笛にできるサイズの竹なんかはありません。

笹藪


それでも辛抱強く歩いていくと、ようやく篠竹林がありました。

篠藪

写真ではわかりにくいですが、最初の笹藪に生えているのは太さ5mm程度しかありませんが、こっちの篠林は10mm以上の太さの竹が生えています。

枝をかき分けて藪に入ってみました。

すると手入れされなくなった竹藪の哀れなこと。
密生して風通しの悪くなったためでしょうか、あちこちで立ち枯れしていました。

荒れ藪_1

荒れ藪_2

篠竹を利用する人がもっといればそれが適度な間引きとなって、こんな風に竹林ごと枯れてしまうことなんてないのでしょうが・・・



枯れた竹立ちをわき目にさらに奥へと分け入ってみました。
するとようやく手頃な竹を見つけることができました。
しかし若すぎる竹か、もう立ち枯れした竹が多くて、目当ての2,3年生の竹を見つけるのも一苦労でした。

どうにかみつけて1本切ってみるとちょっと水分が多く感じました。


笛材を切り出すのは冬がいいと言われています。
それは竹が眠っているために水管落ち着いているからだそうです。
春とか夏に採った竹は乾燥すると表面にシワができてしまいます。それは根から活発に吸い上げた水で膨らんでいた水管が萎んでしまうからです。

それで12月頃が切り出しの最適な時期と言われているのです。
しかし今年は冬が遅かったですね。ここのところになってようやく冷え込みが冬らしくなってきたばかりです。
竹の状態はどうなんでしょう?

いつもよりなんか水っぽい気がします。大丈夫でしょうか?
ちょっと気になりますが、都合、5本ほど切り出してみました。

sino1.jpg

これで15節前後集まったので、乾燥中に割れて捨てるものが出たとしても、何本かは何年か後に篠笛として生まれ変わり、竹林で生きる以上の年数をこの世で過ごすことででしょう。しかも大事に愛されながら。(^o^-yy-~~♪


今日は、小学校の時に習った「かぐや姫」の歌を吹いてみましょう。
マイナーな歌だと思います。
いったい何人の人がこの歌を覚えているでしょうか?(,,-_-)


♪昔々のことでした 月の娘のかぐや姫 
♪心やさしい竹取の 爺さまと婆さまに育てられ・・・

どうです?この歌知ってましたか?(^^)




それでは今日はこの辺で・・・(^^)/ 






120101沼_6

Sound Collection
2012Jan15
かぐや姫(曲:作者不詳)
篠笛 by Kyo




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篠笛持ってふらり旅(第4話)


2012年が始まりました。
元旦の朝、印旛沼に日の出を見に行ってみました。
あいにくの曇り空でしたが・・・

・・・・・

初日の出を見る隠れポイントです。
しかし今年は例年に無く人が多いですね。

120101沼_1 120101沼_2


しかし切れかかっていた雲がまた厚みを増し、少し期待が寄せられていた太陽は雲の向こうで空を染める程度です。

120101沼_3


1人、2人と帰って行く見物者たち。

湖面には渡り鳥たちが遊んでいます。
ふと見ると鴨が見慣れない鳥と並んで泳いでいました。

120101沼_4

さっきから時々、けたたましい声を上げているのはどうやらこの鳥のようです。
首筋の茶色い帯と顔のこぶが特徴ですね。

120101沼_5

(帰ってから調べたら、「シナガチョウ」というガチョウということでした。)


残念ながら初日の出は見れませんでしたが、1曲吹いて帰ることにしました。(^^;)

冷たい湖面をゆうゆうと泳いでいる水辺の鳥に敬意を表して、鳥にまつわる曲にしましょう。
(鳥だから何でもいいってもんじゃないでしたが・・・)






(旅の続きはこちらへ・・・)




120101沼_6

Sound Collection
2012Jan01
コンドルは飛んで行く(曲:アンデス民謡)
篠笛 by Kyo




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篠笛持ってふらり旅(第3話)


冬晴れの続く佐倉の里山。
またぶらっと印旛沼に行って来ました。

・・・・・

青空が続きます。

湖面が少し寒々しいですが、どこまでも広がる澄み切った青空が気持ちがいいです。
ふらりと来た場所はこんな感じ。

印旛冬景色111217_1 印旛冬景色111217_2



切り株だけになった田んぼの向こうに民家が見えます。
里山と田んぼと人家が一体に融合した典型的な昔ながらの日本の風景ですね。
ほっとします。

沼の向こうには風車が見えます。
その向こうを京成電車が走ります。

印旛冬景色111217_4 印旛冬景色111217_3


などとのんびり景色に浸っていたら、いつの間にか北風に身体が凍えてしまいました。

高橋竹山さんを思い浮かべながら「風雪流れ旅」を吹いてみたくなりました。





(旅の続きはこちらへ・・・)


Kyo80x80sp.jpg
Sound Collection
2011Dec18
風雪流れ旅(曲:船村 徹)
篠笛 by Kyo




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篠笛持ってふらり旅(第2話)


いよいよ寒さが身にしみてきました。
風音の稽古も室内に変えました。

・・・・・

昨日は風音の稽古でした。
「天城越え」を練習曲に取り上げてみました。
大曲です。
風音の皆さん、がんばって吹きこなして欲しいです。


印旛沼の湖畔ももうすっかり冬支度。
稽古場への往復でちょっと撮ってみました。

冬印旛111210_1 冬印旛111210_3

ベージュ色の田畑がちょっと寒々しいですね。

でも所々に柿の実やカラスウリが朱色を添えて、殺風景な冬枯れのキャンパスに華やかさを添えてくれているんですよ。

佐倉の里の冬景色はこんな感じです。


冬印旛111210_2

そしてここ数日は良く晴れています。
印旛沼の向こうに夕焼けがきれいでした。


冬印旛111210_4

風車のそばには久しぶりに富士山が(^^)

冬印旛111210_5



そして夜には11年ぶりという皆既月食。
皆さんもそれぞれの場所で夜空を見上げたんじゃないでしょうか?
(さすがに皆既月食中は、コンパクトカメラでは写りませんね(;´д`))

月食111210_2a 皆既月食ほぼ完了→ 月食111210_2

11年前の12月。
皆さんは何をしてましたか? (^^)





(旅の続きはこちらへ・・・)



Kyo80x80sp.jpg
Sound Collection
2011Dec10
天城越え(曲:弦哲也)
篠笛 by Kyo




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篠笛持ってふらり旅


陽が低くなりかけたとたんに、空気がひんやりと辺りを包み込みます。
佐倉の里の風景から一コマ。

・・・・・

篠笛の響きを楽しむ「風音」(かざね)は、古民家をお借りして催されます。
佐倉の里山にひっそりとたたずむ茅葺き屋根の古民家です。

古民家111126_1

四季折々に日本の風情を感じられる「和」の原風景です。
つい先日までたくさんの赤とんぼが舞っていた庭も、今は晩秋色が濃くなってきました。

座敷からこんな景色を目にしながら和気あいあいと稽古を進めます。(^^)

古民家111126_2


笛の音に誘われて、ホトトギスやメジロなどの野鳥が遊びにやって来ることも。

今日は珍しい訪問者が日当たりの良い縁側を歩いていました。
古民家111126_3

2センチ弱のちょっとのきれいな虫でした。
なんでも「オオホシカメムシ」というカメムシだそうです。

そろそろ越冬仕度に入るそうです。


(旅の続きはこちらへ・・・)


.Kyo80x80sp.jpg
Sound Collection
2011Nov26
里の秋(曲:海沼実)
篠笛 by Kyo




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秋の日溜まり、篠笛作り

たまのオフタイムをみつけては篠笛を製作しています。
作業場は、庭に置いた縁台です。

肌で季節を感じながら笛を彫ります。

天気次第の気まぐれ作業場でもあります。( ̄▽ ̄;)


ようやく暑さも消え、ヤブ蚊も減って気持ちよく作業できる季節がやってきました。

材料の篠竹が、7年の陰干しを経て早く命を吹き込んで欲しいと待っています。

愛用の小刀は田谷師匠の形見。
田谷さんの研ぎ跡がまだ残っています。

いつもそばで師匠が見守ってくれているようです。

今回作っているのはお囃子用ではありません。
普通の音楽が演奏できるよう、風音(かざね)の人たち用にドレミファ笛を彫っているんです。 
    ※ かざね:私の指導している篠笛愛好会です


篠笛製作1




手前の2本だけ、ちょっと太いの分かりますか?

A管を作っているんです。
    ※ A管:ドレミファの「ド」がA(=442Hz)から始まる笛です



よく見かける篠笛よりも少し柔らかくて暖かい響きが楽しめます。
まだまだ完成ではありませんが、これでも吹いて楽しめるところまでにはなっているんですよ。


ふと脇に目をやるといつの間にか小さな訪問者。(._.;)

カネタタキ



何だか分かりますか?


カネタタキという、コオロギの仲間です。
茂みで「チッチッ」と小さく鳴いている秋の虫です。


カネタタキ拡大




調律のために時折鳴らす篠笛の音に誘われて遊びに来たんですね。(^o^)
 
笛と鉦はつきものですから。(^-^)//☆☆ ( 」´0`)」座布団1枚-!

    ※ 笛と太鼓と鉦(かね)でお囃子の演奏
      が構成されるんです  φ(.. ) メモメモ


ここにも小さい秋みつけた!(^^)




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敬老会に行って来ました

秋を迎えて各地でいろいろなイベントが始まりました。
その中で、この季節によく行なわれる行事のひとつが敬老会ですね。

9日の日曜には、その敬老会に呼ばれて行って来ました。

と言ったって私はまだ少し対象年齢に届かないので、演芸のお手伝いでです。

篠笛演奏と言うことで、頼まれたわけです。


いつもは太鼓のメンバーを引き連れて徒党を組んでの演奏ですが、
ピンでの舞台となるといつもと勝手が違い、緊張感が増しますね。

敬老会

75歳以上の方々を100名ほどお呼びすると言うことだったので、
昭和初期から昭和50年代の範囲、集まった皆さんがバリバリと活動している頃までを想定して、なるべく世相を反映したような選曲をしてみました。

美空ひばり、越路吹雪、三橋三智也、弘田三枝子、ボブディラン、・・・
どの曲も、篠笛から澄んだメロディーが響き出すと会場からはすぐに歌声が追いかけてきました。
ノリのいいお客さんでしたね。(^-^)//☆☆


歌詞カードをお配りしたわけでもないのに・・・(,,-_-)


1曲毎に盛大な拍手をいただき、楽しいひとときを過ごしてきました。



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篠笛の魅力(第9話)


前回、篠笛に似合う服装について話題にしてみました。
さて今日の話題は呼吸についてです。
・・・・・

前回は、私の愛用している竹の皮で編んだ竹草履のことを紹介しました。なかなか履き心地がいいです。
竹草履で大地を踏みしめて篠笛を吹くというのは風情を感じるんですよ。

さて篠笛の響きは、歌口で生じた空気の振動が、篠竹の中に包まれた空気を共鳴させて生まれます。

押さえる指穴の位置で、共鳴する音程(=周波数)が選ばれます。
深みのある音色の時はひとつの周波数だけでなく、複数の周波数が含まれています。
耳に聞こえない周波数も混ざっています。

同じ音程の笛でも太い笛の方が豊かな音色に聞こえるのは、よりたくさんの周波数を混ぜることができるからなのかも知れません。

低い音色を出すときは、身体の中にある空気も共鳴させる様なつもりで吹きます。
口も喉も気管支も肺も、笛と一体化するつもりで吹くといいでしょう。


音を安定させるには、肩から上が上下しないように吹きます。見た目にも美しく見えます。

そのためには腹式呼吸を行ないます。
胸式呼吸と違い、上半身の上下動が押さえられるからです。




さて、6回にわたって篠笛を巡る美学について私見を書いてみたのですがいかがだったでしょうか。

もしご興味を持たれた方がいらしたら、是非篠笛の世界に触れてみてください。
日常には無い、新鮮な世界を感じることができると思いますよ。






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篠笛の魅力(第8話)


前回、篠笛の吹き姿に寄せる私なりの美学などの話題にも触れてみました。
吹き姿と言えば、衣装も無関係とは言えませんね。その辺にもちょっと触れてみたいと思います。
・・・・・

篠笛の演奏姿にはどのような衣装が似合うのでしょうか。
いろいろなイメージがあると思います。

袴、和服、牛若丸のような衣装・・・

では履き物はどうでしょう?

下駄、草履、足袋・・・

考えてみると結構悩むものです。
もちろん、これじゃなきゃいけないと言ったものが有るわけではありません。
自分の感性に合う出で立ちで良いと思います。


田谷師匠はいつも黒い鼻緒の草履履きでした。

私は、太鼓で演奏するときは太鼓の衣装ですが、
それ以外の時、笛の演奏だけを楽しむときには竹草履を愛用しています。

竹草履とは、わらの代わりに竹の皮を使って編み上げた草履です。

高知県にある竹虎さんのオリジナル製品です。
竹虎さんは、虎斑竹という珍しい竹を特徴にする竹材屋さんです。

その竹虎さんの竹草履がなんとも履き心地がよく、また篠笛演奏に似合うのです。

もし興味が有れば、一度竹虎さんのHPをご覧いただくと良いと思いますよ。

竹虎(株)山岸竹材店 : http://www.taketora.co.jp/taketora/ta0002.html





(続きはこちらへ・・・)




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篠笛の魅力(第7話)


前回、篠笛の姿形ばかりでなく、作り方にも美学があるという持論をお話しました。
その美学についてもう少し続けてみたいと思います。
・・・・・

北辰一刀流、柳生流など、剣には流儀というものがあります。
お茶、生け花、日本舞踊などもそうですね。

邦楽の世界にも流儀があります。
そして篠笛にもいろいろな流儀があります。

能、お囃子、神楽など、それぞれの世界でまたそれぞれの流儀があるので、たくさんの流儀が存在しています。

各流儀には、それが生まれた背景があることだと思います。
だからどの流儀がいいとか悪いとかはありません。
どの流儀がうまいのか、うまくないのかというのも無いように思います。

強いて言えば「好きか嫌いか」じゃないでしょうか。


私の奏法は、田谷師匠の影響をとても大きく受けています。
しかし、田谷流かと言うとそうとも言い切れないと思っています。

田谷師匠は佐原囃子の人ですから、山車に乗り込んで演奏します。
だから山車という狭い空間で演奏するための作法があるでしょう。

私の笛は主として、たくさんの和太鼓とコラボレーションします。
たくさんの和太鼓の迫力に負けることなく、そして調和して、なおかつ躍動感のある演奏が求められます。
だから佐原囃子とは「篠笛を吹く空間」が違うので、おのずと流儀が違ってくるわけです。


その中で田谷師匠に教わって、今でも心掛けているのが指の姿勢です。
指穴を押さえる7本の指は、全て笛に直角に、しかも関節を伸ばして吹きます。
曲げるのは左手の中指くらいなもんです。それもほんの少しだけ。

リコーダーやフルートが、笛に鋭角的に指を添えるのと違うところですね。

指を丸めて拭いている篠笛奏者もいます。
その人の演奏が決して下手なわけではなく、とても上手に奏でる人でです。

だからこれは流儀と言えるのです。


私の篠笛奏法に抱いている美学は、背筋を凛と伸ばし、軽く腕を張り、まっすぐに伸びた指が、ほぼ水平に保たれた篠笛に添えられている形で奏でることです。

また歌口を舐める方もいますが、私はしません。

まぁ、以上のようなところが私の篠笛奏法に寄せる美学でしょうか。
ほかにもまだいくつかあるのですが、長くなるので今日はこの辺にしておきますね。


しかし、・・・

稽古不足を何とかしないと美学など実践できずに、ただの能書きになってしまいますよね。(^_^)-c<^_^;) 



千利休の言葉に

「稽古とは 一より習い 十を知り十よりかえる もとのその一」

というのがあるそうですが、奥が深いですね。

私も早く「もとのその一」にかえれるくらいになりたいものです。(^^;)




(続きはこちらへ・・・)





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篠笛の魅力(第6話)


前回、篠笛の構造にも美学があると思っているという持論をお話しました。
そしてまだ他にも美学を感じていると。
今日はその続きを書いてみたいと思います。
・・・・・

そう言えば、篠笛の製造工程にも美学が感じられますね。

篠笛というのはとても簡単な構造の楽器です。

乱暴な言い方をすれば、筒に穴を空ければ吹いて鳴らすことはできてしまいますから。
その筒はなにも竹である必要はありません。
現に近頃はプラスチックの廉価な篠笛も見かけるようになりました。

しかしそれは横笛ではあっても、篠笛とは呼びたくないですね。
篠笛というものは、篠竹で作られることにこだわり続けられているのだと思います。

群馬の方には、木をくり抜いて作った横笛がありますが、あれは何と呼べばいいのかなぁなどと思います。


篠笛は、天から与えられた自然に生えている竹の中から、節と節の間が40cm以上あるような竹を選んで1本ずつ丁寧に作られます。


真竹や孟宗竹など、篠竹より大きい竹はありますが、太いだけで節間は対して長くありません。
篠竹の仲間でないと十分な節間を持っていないのです。
しかも同じ篠竹でも、生育条件が良くないとやはり節間が短くて、篠笛にできないのです。

途中に節があることに妥協すれば、材料の入手がずっと容易になりますが、決してそれに価値を認めないのが篠笛。

これはやはり美学ではないでしょうか。


さて、この世に生まれ出る過程に美学があり、そして生まれた姿にも美学がある篠笛。
当然、奏で方にも美学があるんだと思いますよ。



(続きはこちらへ・・・)




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篠笛の魅力(第5話)


前回、篠笛の姿形には美学があるという持論をお話しました。
その美学についてもう少し続けてみたいと思います。
・・・・・

指穴の美学の次は、構造の美学です。

フルートやリコーダーは分解できます。
パーツが組み合わせて作られていると言った方が良いのかも知れません。

それに比べて、篠笛は一本の竹で作ります。しかも節と節の間の部分を材料にして、途中に余計な凸凹が入っていません。
これも美学ではないでしょうか。


内部に赤い漆を塗り、外側には籐(とう)を巻き、端正な気品を放っています。



さて、篠笛に対する私の独断と偏見で、形状に関して感じる美学について感じるところを書いてみました。

しかし篠笛の姿形ばかりでなく、考えてみれば前回触れた「演奏しにくさ」もある意味美学の表われなんではないでしょうか。

精神の美学を求める気持ちが、篠笛という楽器に向かう者へ心構えを要求しているように思えます。中途半端な気持ちで始めても、一朝一夕に奏でられないという精神的なハードルを残してあるのではないでしょうか。


あらためてこう書いてみると、まだほかにも篠笛に美学を感じるところがあることに気が付きます。



(続きはこちらへ・・・)


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篠笛の魅力(第4話)


前回、西洋の横笛フルートとの違いについてお話しました。
もう少し違いについて触れてみたいと思います。
・・・・・

フルートの指穴はなかなか見えにくいのですが、リコーダーならむき出しなので見えますね。
原理は同じなのでリコーダーの穴と比べますね。

篠笛もリコーダーも指穴は7つで同じです。
しかしよく見ると穴の配置や大きさが違っているのです。

等間隔で同じような大きさの穴が空いているのが篠笛。
それに比べてリコーダーは穴の間隔が不揃いです。
リコーダーによっては大きさが極端に小さい穴が混ざったりもします。

これはどういうことだかわかりますか?

ドレミファソラシドを吹くためには、等間隔の指穴ではだめなのです。

だから篠笛でドレミファっぽく吹こうとしても、ちょっと音痴な音に聞こえます。
でも、篠笛の音色で洋楽を奏でたいという要望もたくさんあるでしょうから、ドレミファ笛に作った篠笛も出ています。今度見かけたらよく見てみてくださいね。
それらの指穴は間隔も大きさも不揃いとなっていますよ。


私は、篠笛は美学に強いこだわりを持った楽器だと思っています。
不揃いの穴より、きれいに整列していた穴の方が見た目にきれいですからね。

篠笛ができた頃の日本には、当然西洋音階はまだ無かったでしょうから、等間隔に並んだ穴から生まれるメロディーに違和感を感じる人はほとんどいなかったと思います。
(日本最初の笛の指穴の配列が等間隔かどうかは知りませんが・・・)

西洋音階とは全く無関係に存在した篠笛から生まれる音がイマジネーションを刺激して、その音階に親和性のあるメロディーが生まれていったのではないでしょうか。

メロディーと言うよりも、森や大気と一体化するような響きを指が捜して、それを縫い合わせるように奏でていたのではないかなぁなんて想像できませんか?

指穴の配置は耳よりも、目で決められたのではないかなという気がします。




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篠笛の魅力(第3話)


前回、私と篠笛との出会いについてお話しましたが、気が付けば少し時間が空きましたね。
今日は久々に篠笛のお話です。
・・・・・

篠笛というのは、言わずと知れた邦楽器です。

その邦楽器ですが、篠笛に限らず全般的に邦楽器には西洋楽器との違いがあると思います。
中でも特徴的なものの1つが、精神性との関わり合いだろうと思います。

西洋では、楽器は音楽を奏でる道具なんだという認識が強いようで、とにかく少しでも容易に音楽を奏でられるようにと改良が重ねられて来ました。

それに比べて邦楽器は、進化という点では西洋楽器に及びません。
「奏者が技術的かつ精神的な修練を重ねること」と「良い音色を奏でられること」が調和していることに意義を見出しているようです。だから、誰でもが簡単に演奏できるように楽器を改良するなんてことはしてこなかったのでしょう。


例えば、西洋楽器のフルートと邦楽器の篠笛はルーツが共にインドの横笛だったと言われており、原形は同じ構造だったと考えられます。

しかし西洋では改良に改良が重ねられ、材料も金属に変わり非常に複雑な機構をした現在の形になりました。

それに比べて篠笛は改良されていない分、音出しや音程取りが難しいままです。


横笛に限らず、縦笛でもそうですね。
日本の縦笛で有名なのが尺八ですが、「首振り3年」などと言われるほど、習得に時間が掛かると言われています。
それに比べて西洋の縦笛として身近なリコーダーを思い出してもらえばわかりますが、誰でも吹けば音が出るようになっています。だから小学校でも音楽の授業に使われているんだと思います。



西洋ではきれいな音楽を奏でるために楽器に進化を求め、日本ではそれを操る人に進化を求めたとも言えますね。




(続きはこちらへ・・・)




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篠笛の魅力(第2話)


前回は、私に篠笛の楽しさを教えてくれた、田谷さんという篠笛の名手について少しだけお話ししました。
今日はその続きです。

・・・・・

田谷さんは笛作りとしても活躍されていましたが、笛師としては「春酔」(しゅんすい)という号で彫られていました。

そんな田谷さんですが、何でも、気の置けない仲間達と車座になってお酒を飲んでいる最中、大笑いした拍子に突然後ろに転げたと思ったら、もうすでに亡くなっていたとのことです。

春酔という名に相応しい、見事な大往生だったと思います。

98年4月4日の土曜のことでした。
そう、明日がご命日です。

(合掌)



田谷さんのおかげで、私は篠笛の魅力を知ることができました。

竹に穴を空けただけの楽器ですから、慣れるまではなかなかきれいな音色を出せません。
ムキになって吹いていると、頭がクラクラしたこともありました。


しかし石の上にも3年。
ましてや10年の歳月が、ありがたいことに曲がりなりにも笛を楽しめる程度の技量を与えてくれました。


篠笛の素朴な音色には、日本人の心が映されているようで、とても心地よい響きです。

穴が開いただけのシンプルな構造ゆえに、心と奏法で情感を補ってあげないときれいな響きは生まれてくれません。


これからは時々、篠笛の話題にも触れることにしますね。




(続きはこちらへ・・・)





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篠笛の魅力

篠笛(しのぶえ)という楽器をご存知でしょうか?

篠竹(しのだけ)とか女竹(めだけ)とか呼ばれる、直径1~2センチくらいの竹に穴を空けた横笛です。

お囃子や雅楽で使われている笛なんですが、

   「京の五条の橋の上で牛若丸が吹いていたやつ!」

って言った方がおわかりでしょうか?


私が篠笛と出会ったのは、かれこれ10年以上も前になります。

佐原囃子の名手、田谷春男さんに手ほどきを受けたのが始まりでした。

田谷さんの流派は大戸流という名門ですが、残念ながら今は途絶えてしまったということです。

田谷さんは、伝説の名人と呼ばれた片野六兵衛の直系弟子と伺ったような気がしますが、それも今となってはわかりません。

田谷さんは、10年ほど前に突然他界されてしまったからです。
そう、あまりにも突然。
今度の週末は稽古という日でした。


(続きはこちらへ・・・)



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プロフィール

sugimotom

Author:sugimotom
ようこそ!
職業は業務改革パートナー。余暇は篠笛や和太鼓の響きを楽しんで過ごしています。
そんな私の仕事のこと、趣味のこと、日々感じたことなど 徒然に書き留めています。

私も気が付けば半世紀もの月日を重ねてしまっていました。
飛び去るように過ぎて行く貴重な人生の合間に、ほんの少しだけ立ち止まって、さぁ深呼吸!

大切な今を思いっきり感じましょう。
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